{title:澪音の世界} {st:Sound Horizon} 荒れ果てた野を 一人の少女が往く 正確には一人と一匹 少女の右手には赤い紐 その先に結ばれたる首輪もまた赤く 黒銀の毛並みを持つ犬は 小さく吠えた 飼い主たる少女『澪音』に語りかけるかのように… [Intro] (Key:Em) [Em][C][G][D]x2 [Em]豪奢な[Am]廃墟に[C]転がり[D] 冷[Gm]たい雨[Eb]に怯[F]える[Bb][F/A] 輝[Em]ける名[Am]誉も権[C]力も[D] 今で[Eb]はもう過去[F]の所有物[Gsus4][G] 観測とは事実の側面を抉り取る刃物 その男は果たして...何を得...何を失ったのか… 奪[Em]いし[Am]物は奪[C]われ[D] 斯[Gm]して世[Eb]界は[F]廻る[Bb][F/A] 降[Em]り止[Am]まない[C]雨の向[D]こうに 何色[Eb]の空[F]をみる[Gsus4][G] [Eb]代償を背負[Bb]うほど 加[Cm7]熱する駆[Bb]け引きは 全て[Eb]失くすまで気付[Bb]かない 度[Ab]し難い自我[D7]の下僕…[Gm] [Em]空虚な[Am]廃墟に[C]転がり[D] 冷[Gm]たい雨[Eb]に震[F]える[Bb][F/A] 帰る[Em]場所[Am]も待って[C]る人も[D] 今で[Eb]はもう過去[F]の支配領域[Gsus4][G] 推測とは事実の背面を削ぎ落とす刃物 その男は果たして...何を見...何を悟ったのか… 奪[Em]いし[Am]者は奪[C]われ[D] 斯[Gm]して時[Eb]代は[F]廻る[Bb][F/A] 降[Em]り止[Am]まない[C]雨の向[D]こうに 何色[Eb]の空[F]がある[Gsus4][G] 運命を捩じ伏せ 従える心算でも 未来を掴もうと伸ばした その腕では短か過ぎた… [Cm]閉ざ[G]された少[Ab]女[Bb]の瞳[Eb]が[Bb] [Ab]開[Eb]かれし[D]瞬間世界[G]は [Cm]幻想し[G]得る最[Ab]悪[Bb]の[Eb]狂夢[Bb]を...[Ab]残酷[Eb]な死[Csus4]神を見[C]る… 『死』とは...精神に先行して まず肉体に依存する感覚から朽ち果てるものらしい なればこそ人間は散々忌避し逃避を企てながらも 招かれざる死の冷たい接吻に耐え得るのだろうか… 絶え間ない恐怖感が雨となり降り続けるという幻想 それは...生きながらにして精神を壊されてゆく苦痛 硝子球のように透き通った永遠の合わせ鏡 罪人は少女の瞳の中に唯『世界』を見るという… 百聞は一見に如かず 千聞とてまた然り 憐憫...侮蔑...的外れな嘲笑...謂わば対岸の火事 燃えるまでは熱さ解らず 燃えてからでは遅過ぎる この世界で何人が罪を犯さずに生きられると言うのか… 閉ざされた少女の瞳が開かれし瞬間世界は 幻想し得る最悪の狂夢を...残酷な死神を見る… 薄氷色に煌く瞳が鮮やかに朽ちる世界と 堕ちてゆく狂夢に唇を重ねて...残酷な死神になる… 地に蔓延りし我ら罪人の群れ 願わくば...君が澪音の世界に囚われないことを…